病院独特のルールを知る ~看護学生 してはいけないケースファイル~

病院は、一般社会の常識的な行動が通用しないことがあります。患者さんに良かれと思うことでもタブーは以外に多く、特に実習生は知らず知らずのうちにタブーな行動をしてしまう可能性も高い。そんな行動をまとめた本書は、看護学生向けながらも、作業療法の実習生にも是非読んで欲しい本です。

看護学生してはいけないケースファイル 臨地実習禁忌集

看護学生してはいけないケースファイル 臨地実習禁忌集

実習の基本は、「やっていいか分からなければ、まずは指導者に確認して」と伝えますが、全てを確認して行動するわけではない。「これは確認が必要だ」「これは大丈夫だろう」と線引きをして確認を行っているだろうと思う。問題は、大丈夫だろうと思っていることでも、タブーがあることである。特に、学校や部活で「人に頼らず」なんて指導されてきた人は、簡単なことを聞くことにためらう人もいるでしょう。簡単なことでも確認することが本当は大切なのですが。

「体調がすぐれない時に、実習に来てはいけない」と、実習の最初に伝えるが、それでも無理に来ようとする実習生は存在する。多少熱があっても、動けるのに実習休むのは、良くないことだ、と思っている節もあるのだろう。しかし、インフルエンザ等の感染症にかかっている場合もあるので、本人の問題でなく、他の職員や患者様に感染されるリスクがあるため、指導者や、場合によっては医師の判断がなければ来てはいけない。してはいけないケースには全て明確な理由があり、それを説明すると、ほとんどの実習生は理解してくれる。ただ、知らないだけである。

知らないでタブーな行動を取らないためにも、本書は実習初日に、重要項目だけでも目を通して欲しい本である。たとえ全てが理解できなくても、「病院という所は、意外なことでもタブーがあるので、些細な行動でも確認しないといけない」という理解が得られるだけで十分である。リハビリテーションの分野でも、このような本が出て欲しいと思う。