実習症例をまとめるための方法論に使えるか? ~ペアプログラミング~

臨床実習に症例レポートは必要か?という議論がありますが、最適解が見えてきません。少なくとも、今までのような症例レポートの方法論では難しいと思いますが、提出物となっている養成校もあり、難しいところです。症例を振り返るにしても、実習生の負担にならない方法がないかと考え、本書に至りました。二人一組でプログラムのコーディングを行う方法論ですが、症例レポートや抄録などをまとめる際、有用な方法と考えています。

ペアプログラミング―エンジニアとしての指南書

ペアプログラミング―エンジニアとしての指南書

  • 作者: ローリーウィリアムズ,ロバートケスラー,Laurie Williams,Robert Kessler,長瀬嘉秀,今野睦,テクノロジックアート
  • 出版社/メーカー: ピアソンエデュケーション
  • 発売日: 2003/03
  • メディア: 単行本
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ペアプログラミングは、2人のプログラマが1台のコンピュータを使い、共同でコーディングするための方法論です。実際にキーボードを使い入力する人を「ドライバ」、もう一人を「ナビゲータ」と呼びます。一見、非効率に見えますが、その時間は両者とも集中して行うため、結局は時間を効率よく使え、成果物のクオリティも高くなると言われている。

これをレポートや抄録をまとめる作業に使ってみようというわけだ。実際には、新人発表の抄録まとめ作業に何度か使っており、新人だけでまとめるより効率良い。ペアでの作業はかなりの集中力がいるため、何度も使えないが、提出されたレポートを何度も添削することを考えると、時間的にも労力的にもいいと考える。いろんなペアが考えられるが、実習生に対して使う場合は、本書の「専門家-新人のペア」が参考になるだろう。

ペア作業を行う前に、症例についての評価や経過などの情報と、自分の考えていることを、箇条書きでいいので書き出す所まで行っておいてもらう。ペア作業では、まずは指導者がナビゲータとなり、実習生の考えや表現をもとに、「こういうこと」「こう表現しては」などと提案しながら、同意した文章を実習生に打ち込んでもらう。30分くらいしたら役割を交代し、今度は実習生にできるだけ言語化させ、指導者が援助しながら文章を打ちこむ。まあ、2時間くらいが限度でしょう。2時間集中して行えば、それなりの成果物はできるはず。実習生も、作業の中でまとめるプロセスが分かってくれば、一人作業での効率も上がるのではないかと思っている。

万人に使える方法ではないが、今度の実習生では試用してみようと思う。