本の整理2017年夏

本の増殖がどうにも止まらなく、手元に残しておきたい本も処分対象になりつつあります。捨てる前に記録だけは残しておきたいので、簡単な思い出と書評を含め、書き留めておきます。思い返すと、本のことは忘れてても、部分的に自分の思考に取り入れられていることが以外にあった驚いた。自分の思考や行動は、過去に読んだ本に支えられているんだ。

リッツ・カールトンで学んだ仕事でいちばん大事なこと

リッツ・カールトンで学んだ仕事でいちばん大事なこと


日本のリハビリテーションを牽引している、リハビリテーション医の石川誠先生が、主に近森病院で取り組まれた軌跡を記した本。表紙のラガーマンの姿が示しているように、リハビリテーションを個人プレーでなく、組織やチーム全体のプレーとして前のめりに改革を進めてきた様子が記されている。

夢にかけた男たち―ある地域リハの軌跡

夢にかけた男たち―ある地域リハの軌跡

見えにくいシステムエンジニア業界を、4コマ漫画と共に面白おかしく描いた本です。個性が前面に出た登場人物はサイコーで、本当なら過酷な現場なのに、それを面白く描いてしまうセンスはさすが。きたみさんのIT系の本はマンガやイラストを多用され、説明も分かりやすい。IT全く分からない人が最初に勉強する本としてはお勧め。

題名そのままの本。リッツ・カールトンでは、「クレド」と呼ばれる会社の理念・行動指針があります。こんなものはどこの会社でもあると言われそうですが、リッツ・カールトンの社員は、これをもとにしてあらゆる判断・行動を行うので、その徹底度が違います。細かなマニュアルを多数作るのでなく、行動指針をしっかり示し、社員がそれをもとに、どう行動すべきか考えながら行動する。それが質の高いサービスにつながっているようです。

リッツ・カールトンで学んだ仕事でいちばん大事なこと

リッツ・カールトンで学んだ仕事でいちばん大事なこと

ブロガーとして有名な子飼弾さんの本。プログラマーだけあり、書評はしっかりと読み込み、自分で深く噛み砕き、自分の考えと照らし合わせ、それを簡潔に表現される。この言葉は表面的でなく、言葉ってこんなに力があるんだと感じられます。そんな著者が思考術について書いた本です。常識にとらわれず、自分の頭で考えて決める。そのような姿がよく分かります。書評を書くたびに、レベルの違いを感じ、まだまだ自分が浅い所だけで考えているんだなあ、と思ってしまう。

決弾 最適解を見つける思考の技術

決弾 最適解を見つける思考の技術

元ブラジル代表キャプテンで、ジュビロ磐田でもプレーしていた、ドゥンガの著書。ピッチ上でよく怒っているイメージの彼が、どう考えて行動していたのかがよく分かる。強いリーダーシップを取っていた彼の手法が良いか悪いかは分からないが、リーダーのスタイルとして、一つのはっきりした形は示していると思う。

PROFESSIONAL勝者の条件―勝ち残る者と敗れ去る者の違いとは

PROFESSIONAL勝者の条件―勝ち残る者と敗れ去る者の違いとは

日本ではトップレベルの論文数が減り、科学研究が後退しているように言われるが、その背景に迫った本。おそらく有能な人材はいると思うが、それを活かしきれない政策の問題が大きいように思う。

理系白書

理系白書

結局、現在の統計学の基礎の大半は、フィッシューという一人の天才が築いたもの。でも当時は、フィッシューが話していることを、周りは理解できなかったよう。統計学は数学的には例え正しくても直感的には分かりにくい分野と思う。最新統計手法イコール正しいと思うのでなく、なぜそのうような手法、計算がなされてるのか、その手法の限界はあるのか等、もっと意識すべき。

統計学を拓いた異才たち―経験則から科学へ進展した一世紀

統計学を拓いた異才たち―経験則から科学へ進展した一世紀

内容が古くなったので捨てますが、きたみりゅうじさんのイラスト付きの説明はとっても分かりやすい。用語の概念さえ分からない人には、最初の一冊としてお勧め。

キタミ式イラストIT塾 基本情報技術者 平成25年度

キタミ式イラストIT塾 基本情報技術者 平成25年度

子どもの自由研究の延長である高校生科学オリンピックだが、その内容がすごすぎる。個人で原子炉を開発したり、実際の環境改善に活かせる先駆的な内容もある。子どもの時に、学校の勉強だけでなく、一つのことにのめり込み、深める経験も必要だと本書を読んで改めて思う、それと同時に、日本の教育は、そういうことが行いにくい環境であるとも思ってしまう。

理系の子 高校生科学オリンピックの青春 (文春文庫 S 15-1)

理系の子 高校生科学オリンピックの青春 (文春文庫 S 15-1)

ジョブスの生涯を漫画で紹介した本。だいたいのことは知っていたので目新しさはなかったが、やはりジョブズよりウォズニアックのほうが個人的には好きだ。まだ存命ではあるが、ウォズニアックの生涯を紹介した本も出して欲しい。

[COMICS] The Life of Steve Jobs スティーブ・ジョブズ その波乱の生涯

[COMICS] The Life of Steve Jobs スティーブ・ジョブズ その波乱の生涯

  • 作者: シーアンドアール研究所,サイドランチ
  • 出版社/メーカー: シーアンドアール研究所
  • 発売日: 2012/02/27
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
  • クリック: 2回
  • この商品を含むブログ (1件) を見る

成長路線で良かった頃のIBMのCEO、ワトソンJr.が書いた本。その後機能不全に陥って倒産の危機が訪れるが、その時にCEOになったルイス・V・ガースナーが書いた「巨像も踊る」を一緒に読むと興味深い。ワトソンJrが取った方法で、その時は良かったが、後にそれが足かせとなっている事が結構あるのだ。長期的視点がいかに大事か、考えさせられる。

IBMを世界的企業にしたワトソンJr.の言葉 (Eijipress business classics)

IBMを世界的企業にしたワトソンJr.の言葉 (Eijipress business classics)

後に「富山型デイサービス」と言われるデイケアハウス・にぎやかを運営されていた阪井由佳子さんの著書。以前、学会で特別講演にお呼びした時に読みました。高齢者だけでなく、子どもも含めごちゃまぜのスタイルですが、地域密着を考えた場合、それが自然じゃないかなと思います。

親子じゃないけど家族です―私が始めたデイケアハウス

親子じゃないけど家族です―私が始めたデイケアハウス