塩屋、そして六甲山系西の端の象徴 ~旧グッゲンハイム邸物語~

塩屋に足を踏み入れたのは、六甲登山を始めてからですが、坂が多いながら昔ながらの雰囲気が残っている街並みが好きです。旗振山へのルートは、須磨浦公園より断然、塩屋ルートが面白いです。本書を読むことで、塩屋の象徴である旧グッゲンハイム邸だけでなく、塩屋の街の雰囲気がどのように形作られてきたのかが、よく分かりました。こんな塩屋が今後も残ってくれるといいな。

旧グッゲンハイム邸物語 未来に生きる建築と、小さな町の豊かな暮らし

旧グッゲンハイム邸物語 未来に生きる建築と、小さな町の豊かな暮らし

続きを読む

生きるための知識・知恵、そして教育を考えらせられる ~国を救った数学少女~

久しぶりの文学小説でしたが、展開が面白く一気に読みきりました。ありえないくらいの過酷な環境の中、主人公のノンベコは自分の力で状況を切り開いていく。物語としてもかなり面白いんですが、教育がない環境でも自分から学び、それを状況打開のために利用する様を見ていると、読み書き計算などがいかに人生にとって大事なものか、改めて考えさせられました。子どもにも読んで欲しい本です。

国を救った数学少女

国を救った数学少女

続きを読む

池田先生の知性と寛容が詰まった一冊 ~真面目に生きると損をする~

リーディンググラス(つまり、老眼鏡)のおかげで字を読むストレスが減り、ここ最近、読書スピードが格段に上がった。図書館で借りたこの本ですが、あまりに面白かったので、1日で読み切っちゃいました。何事にも流されずに知性あるものの見方を貫く一方、違うものや考えに対しての寛容さも併せもっているのが池田先生。「ホンマでっか!?TV」での面白おかしいコメントの数々は、知性と寛容さから出てくるのでしょう。

続きを読む

そうとは言いきれないが、なるほどと思う ~すべての教育は「洗脳」である~

久しぶりにホリエモンの本を読んだ。考え方に必ずしも同意するわけではないが、自分の意見をしっかり言い切る姿勢は尊敬に値する。曖昧にして責任を取らない人よりよっぽどいい。そんなホリエモンが教育の本を書いた。センセーショナルなタイトルで、100%そうとは思いませんが、教育する側は、「洗脳」というネガティブな側面は意識したほうがいいと思う。

続きを読む

人工知能とえどう付き合うか ~不屈の棋士~

2015年10月、情報処理学会が「2015年、コンピュータ将棋がプロ棋士に追いついた」と宣言をし、話題となりました。本当に追いついたのかどうかは判断は難しいが、羽生善治さんはコンピュータ将棋の能力を、「ウサイン・ボルトくらいの強さ」と表現しています。そんな中、プロ棋士人工知能にどう向き合っていくのか、11人のプロ棋士のインタービューを通じ、その様々な思い、葛藤が本書には描かれています。

不屈の棋士 (講談社現代新書)

不屈の棋士 (講談社現代新書)

続きを読む

マイナールートで六甲最高峰を目指す

珍しく、1人でなく後輩と2人で六甲山に登りました。せっかくなので、マイナールートをできるだけ通って最高峰を目指してみました。下りは白石谷経由で有馬温泉に抜けましたが、相変わらず白石谷は秘境感たっぷりでした。
f:id:Hanamaru:20170617162420j:plain

続きを読む

日本教育における干渉と迷走の歴史 ~文部省の研究~

最近は、国際的に学力を比較する指標として、経済協力開発機構(OECD)による学習到達度調査(PISA)がよく使われています。PISAでの国際的な順位にに一喜一憂している印象で、PISAでトップクラスのフィンランドの教育がもてはやされたりと、安易に善し悪しが語られているように思います。そもそもPISAは指標の一つであり、日本の教育が何を目指しているのかを知ることも大事かと思います。明治時代の初期に文部省ができて150年、その紆余曲折の経過を見ると、教育の中からいろんな立場の人の思惑や衝突、そして干渉が浮き彫りになります。

続きを読む