臨床作業療法2016年3・4月号 ~地域の総合力を高めるOTの視点~
現在、「臨床作業療法」のアドバイザーをさせていただいています。十分な役割を果たせないまでも、しっかりと読み込み、自分なりの意見は言えるようにはしておきたいものです。そういうわけで、書評をブログにアップすることにしました。今号のテーマは「地域の総合力を高めるOTの視点」です。最もタイムリーで喫緊の課題というドンピシャなテーマで、amazonで「人気」マークがついてることを見ると、結構売れてると思います。
臨床作業療法 2016年 03・04月号[雑誌] (地域の総合力を高めるOTの視点ー知って活かそう 介護予防・日常生活支援総合事業)
- 作者: 寺門貴太田睦美佐藤孝臣山口智晴工藤克行久世昭宏大場耕一二木理恵児玉道子大郷和成寺本千秋大塚英樹井上慎一上城憲司宇田薫大塚英樹徳山安之濱西由希子
- 出版社/メーカー: 青海社
- 発売日: 2016/02/17
- メディア: 雑誌
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まずは、「らんどまーく」というコラムですが、「OTの視点を伝えること」と題して私が執筆しています。今号のテーマは知りませんでしたが、「OTの視点」が見事にかぶってます。要するに、「チーム医療の中で、OTの視点をもって情報提供することは大事ですよ」ってことを書きましたが、地域での関わりも多様な人たちとのチームなので、同様と私は思います。
特集では、地域支援事業の総論を太田先生が、地域ケア会議についてを佐藤先生が書かれており、共に第一人者としての経験知が凝縮された内容となっています。認知症関連の内容と予防事業についても実践経験のある方が執筆されており(当たり前か・・)、分かりやすくよくまとまっています。地域ケア会議や認知症初期集中支援チームなど、声がかかった時に概要とポイントを手っ取り早くつかむためには最良の文献です。普段購読してない人でも、地域に関わる可能性があるなら買っとくべきです。
ただし、どのテーマも総論的な内容がほとんどで、臨床くさい話は少な目です。私のように地域支援をコーディネートする側の立場としては興味深い内容ではありますが、頼まれて地域に出向く、いち作業療法士が読むことを考えると具体性が乏しいです。これは、テーマの広さやページの制約を考えると仕方がないことと思いますので、例えば、「地域ケア会議」というテーマをあらためて特集いただき、より掘り下げるような内容を期待します。