六甲山って、結局みんなどこ登ってるの?

六甲山系には無数に登山道があります。それぞれの道に特徴があり、いい所でもあるんですが、初めて登る時はどこがメジャールートか分からず、困ったものです。ハイキングのガイドブックには、趣向を凝らしたコースが掲載されていますが、そこをみんな通っているのか、と言われるとそうでない場合も多い。今回は六甲山系の登山道を歩く中で、「ベタでみんなが通っているコース」を選んでみました。でもこれって、簡単なようで意外に難しい。自分が通った時がたまたま多かった、少なかったということもあるので、できるだけ平均的な視点を入れながら選んでみた。
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西六甲(塩屋~菊水山

いわゆるハイカーが多いエリアは、圧倒的に須磨アルプス。六甲全山縦走路である須磨浦公園駅から旗振山~おらが茶屋~須磨アルプスと通っている方が大部分と思われる。須磨アルプス東側にある東山からは、板宿方面か、縦走路に沿って妙法寺方面に進むか、2つのパターンに分かれる。縦走路をどんどん進んでいきそうな本格的なハイカーもいますが、「初めて山登りしました」って感じの山ガールやファミリーも混在しており、山登り経験の少ない方でも抵抗なく登れる雰囲気があります。また、普段着で何も持たずに散歩程度に登っている方もちらほら見られます。春秋の天気の良い週末は場所によっては渋滞しますが、冬と夏は逆に少なく、特に夏は灼熱地獄ですので通らない方がいいでしょう。関西ハイキングのエリアとして紹介されることが多いので、一般的にも知名度の高いエリアです。
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高取山エリアは、人はそこそこいるんですが、大部分が散歩程度に登ってくる地元の方です。ハイカーのかっこして通ると、「浮いてるんでは?」と思うことさえある。地元の方はいろんな登山道を使われますが、多くは表参道から階段を登ってこられる。縦走路を通る人は、須磨アルプスに比べるとかなり少なく、「地元の山」というイメージが強いです。
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鵯越から菊水山も縦走路なので人はいますが、ちらほらとしか出会いません。山頂には比較的人がいることが多いので、鈴蘭台から登って来る人も結構いると推測されます。菊水山から鍋蓋山方向は、縦走路にも関わらず人は少ないです。縦走路周りの石井ダムや島原貯水池を含め、慣れた人がひっそりと登るエリアです。
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中六甲(鍋蓋山~摩耶山周囲)

人が多く歩いているのは、何と言っても新神戸から市ケ原の間でしょう。散歩がてら歩く人だけでなく、海外の観光客らしき人も見かけます。ハイカーだけでなく幼稚園の遠足やトレラン講習を受けている人、などなど。ハイカーの多さではロックガーデンのほうが上かもしれませんが、多様な人の多さではこちらが一番です。また、市ケ原までは街灯が整備されているので、日没後ヘッドライドがなくても歩ける明るさです。市ケ原は、いくつもの登山道が始まるターミナルのような存在で、「櫻茶屋」「紅葉の茶屋」「あけぼの茶屋」など多くの茶屋があり、天気の良い日は河原でバーベキューや休憩する人で賑わいます。おそらく、市ケ原まで来て戻る人も結構いるんでしょう。
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市ケ原から一番進まれるコースは判断し難いです。主なコースは、縦走路(天狗道)を登り掬星台(摩耶山)に向かうコース、トエンティクロスへ向かうコース、縦走路を逆走し、大竜寺・再度公園エリアに向かうコース、の3ルートと思われます。天狗道かと思うんですが、実は歩いていても以外に人は少ないんです。おそらく一番進まれているのはトエンティクロスでしょう。しかし、その先もいくつかのコースに分かれており、これはもっと判断が難しいです。正解かどうか分かりませんが、無難なコースとしては、新神戸~市ケ原~トエンティクロス~桜谷出合~桜谷道~掬星台(摩耶山)でしょう。ただし、最後の桜谷道はかなり人が少なくなります。市ケ原周辺はゴールデンルートが存在せず、多様なルートを選べるエリアです。南から摩耶山へ向かうなら、青谷道、上野道、杣など多くの登山道がありますが、人に会わなくもないが多くもない程度です。
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南六甲(六甲ケーブル周辺~ロックガーデン)

このエリアは登山道が多く選択肢もありますが、六甲最高峰へ向かうゴールデンルートがあります。阪急芦屋川駅~高座ノ滝~中央稜~風吹岩~雨ヶ峠~七曲り~六甲最高峰です。シーズン週末は渋滞覚悟のルートであり、人と出会わないということがまずありません。しかし、本当に多いのは風吹岩までで、それ以降は人が減ります。風吹岩から下山するルートはいくつかありますが、定番ルートはなさそう。ゴールデンルートで六甲最高峰に向かうのもいいですが、海面近くから900m以上まで登るので、それなりにきついです。六甲最高峰からの下山は魚屋道が一番メジャーで、有馬温泉方面に抜けることができます。ロックガーデン中央稜が抜きに出ていますが、住吉道、荒地山への登山道、芦屋地獄谷など、比較的よく歩かれている登山道も存在します。
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北六甲(谷上~有馬温泉

このエリアは総じてハイカーが少ないです。週末でも一度もハイカーに会わないこともあり、遭難したら誰にも発見されないのでは、と不安になることも少なくありません。その中でも、六甲最高峰から有馬温泉に抜ける魚屋道は一番歩かれている所でしょう。その次が紅葉谷道。この2つであればハイカーには多少会えるはずです。その次になると、シュラインロード、有馬三山(番匠屋畑尾根~湯槽谷山~灰形山~落葉山)くらいになりますが、この2つでもハイカーにほとんど会いません。それ以外のルートでは、基本会わないと考えたほうが良さそうです。北六甲には逢山峡という渓谷があり、夏になるとシャワークライミングをする人が多く、バーベキュー目的で来る人もいます。しかし、ハイカーは少ないです。
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東六甲(六甲最高峰より東側)

あまり歩いたことがないエリアなので何とも言えませんが、縦走路でも時々しか会いませんので、基本は人の少ないエリアです。甲山や観音山には多少人がいますが、多いとは言い難いです。
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ということで、独断と偏見による六甲山で人の多いエリアベスト3です。

  1. 芦屋川駅からロックガーデン(中央稜)~風吹岩(そして六甲最高峰へ)
  2. 新神戸駅から市ケ原~トエンティクロス(そして桜谷出合から摩耶山へ)
  3. 須磨浦公園駅から旗振り山~須磨アルプス(東山より板宿駅へ)