学会・士会運営にベターなオンラインストレージは?

 この土日は全国学会や県士会の会議ばかりでした。その中で、「学会でオンラインストレージが使えないか」との意見があったので、ちょっと調べてみました。結構な人数で共有する必要があるので、マイナーなものを避けると、予想通りというか「Dropbox」と「OneDrive」の一騎打ちとなりました。この2つ、どちらもベストとは言い切れず、結局は強い所がどうしても欲しいか、弱い所が我慢できるかをてんびんにかけ、決めざるを得ません。

 まず、まっさきに候補から外れたのは「Google Drive」。容量は15GBと魅力的ではありますが、問題外です。決定的なのは利用規約です。以下が問題となる部分の引用です。

本サービスにユーザーがコンテンツをアップロード、提供、保存、送信、または受信すると、ユーザーは Google(および Google と協働する第三者)に対して、そのコンテンツについて、使用、ホスト、保存、複製、変更、派生物の作成(たとえば、Google が行う翻訳、変換、または、ユーザーのコンテンツが本サービスにおいてよりよく機能するような変更により生じる派生物などの作成)、(公衆)送信、出版、公演、上映、(公開)表示、および配布を行うための全世界的なライセンスを付与することになります。

 長い文章でよく分かりませんが、簡単に書くと「アップロードすると、Googleに対しライセンスを付与する」ということになる。何でこんなこと書いたのか分からないが、これは問題でしょう。ということでGoogleDrive却下です。

 次は、本命とも言える「Dropbox」。無料での初期容量が2GBと、容量が少ないのが唯一の欠点ですが、そもそも月1200円の有料版にすれば100GBに増やせるので、予算がつくような学会等の使用には大きな問題とならないでしょう。ユーザーもオンラインストレージ使用者の3割超が使用しており、運営状況も硬いというか、とても安定している印象がある。そして万が一ファイルを変更・消去してしまっても、30日間なら履歴が残っているので戻ることができる。消えて作り直す、というリスクが回避できるので、これはかなり大きなアドバンテージとなる。まさに本命である。

 それに対し、「OneDrive」は、Microsoftが運営しているオンラインストレージです。つい先日「SkyDrive」から名称変更となりましたが、そもそも今まで利用条件など何度も変更があり、先行きの不安感はぬぐえない。容量は、無料初期状態で7GBとまあまあであり、機能も意外と押さえる所は押さえており、履歴機能実装は正式に表明していないものの(実際はあるの?)、とくに大きな不自由は感じない。そして最大のメリットは、「Online Office」が使えることでしょう。DropboxでもWordやpdfの簡易表示機能はあったが、こちらは、ブラウザ内でWord、Excelだけでなく、PowerPointOneNoteまで使える。ブラウザ版ということでVBAが使えないなど機能の制約はあるが、簡単な編集であれば、ブラウザ上でことたりる。さっきも提案書をOnline Wordで作成したが、この程度のものなら十分作成できる。Windowsパソコンであれば、ほとんどOfficeが入っているかもしれないが、古いOfficeが入っているパソコンや、タブレットでの閲覧・簡単な編集では便利そう。

 結論としては、履歴機能を重視するなら「Dropbox」、Online Officeを優先するなら「OneDrive」ということになる。難しい選択ですが、どちらか選べと言われれば、「Dropbox」でしょうかね。共同編集するなら、履歴機能ははずせない。

Dropbox
Microsoft OneDrive
何を基準に選んでる?オンラインストレージサービス15社を考えてみた。|すしぱくの楽しければいいのです。
他の人とフォルダを共有するには (Dropbox ヘルプセンター)