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シンプルだがツボを押さえた提案書ノウハウ

書評

今年度中に電子カルテが導入予定で、準備作業が間もなく始まる。また来年度の全国学会では、スライドデータ管理など、何らかのシステムを使用する可能性もある。ということで、本屋でシステム仕様書に関する本を探してみたんですが、システムを作ってもらう側(つまり、システムに関しては素人側)に立った本は皆無なんですね。その中で見つけたものが本書です。初版が1994年でもう20年経っていますが、移り変わりの激しいITの中で、長期に渡って読み続けられている時点ですごい。結局、技術は変わってもこういう人が関わる部分って変わらないんでしょう。

これなら書けるSEのための提案書ノウハウ101

これなら書けるSEのための提案書ノウハウ101

本書は、タイトル通り101の項目に分かれており、基本1項目2ページとなっている。見開きの右側が文章、左側に図が描かれており、すこぶる分かりやすい。パラパラと簡単に読み進めていけるが、そのうちあることに気づく。「この本、具体的な書き方(How to)があんまり書かれてない・・」

はじめに、の項目で明記されているが、「提案書に定型的なスタイルなどはない」のである。ネットで探すと、「要求仕様定義ガイドライン」が出てくる。読まないと評価しようがないが、おそらく素人が読んでも分からないだろう。素人側から仕様を提案するには、やはりスタイルがないと思ってするのがベターだろう。

本書のツボはだいたい2点ある。
1点目は、「問題点」の本質的な部分をしっかり説明していること。問題点とは理想と現実のギャップ。でも問題点の解決がそのまま目標になるかはまた別。問題点を分析して、多くのユーザーの利害関係を考え、現実的視点を持って目標は設定しないといけない。そのへんが結構丁寧に書かれている。

もう1点は、現実的視点がしっかり入っているところ。自分の立場を考えたり、(問題と思っても)触れてはいけない部分を理解しておく部分はまさに現実思考。そこがなかったら、使えるノウハウにはなりにくい。

どちらのツボも、当たり前といえば当たり前。読んでいてもまあまあ当たり前だなあと思うことがほとんどで、目新しさには相当欠ける。でもこういうシステム作る時って、当たり前のことを忘れがちで、それが重要となることが多いと思う。当たり前のことをちゃんと確実に行う。そのチェックリストとして使うなら、本書は相当使える良書でしょう。

Amazon.co.jp: 要求仕様定義ガイドライン(UVCプロジェクト報告書2007): (一社)日本情報システム・ユーザー協会(JUAS): 本